不動産売却の種類 - 不動産買取

【不動産買取の流れ】一戸建てやマンションの買取と相場感、専門業者の選び方

買取とは不動産会社に購入してもらうことです。売却後のトラブルがほとんどなく、契約が済めば手早く売れますが、減額されるデメリットがあります。

不動産会社に自宅を買い取ってもらうことを買取といいます。一般に不動産を売るには買取と、仲介会社を使う売却があります。仲介による売却は一般の顧客が購入者であり、買取は業者が購入します。

急な転勤など、事情があって売却して早く現金が必要な場合や周囲に知られずに売却したい場合に買取を依頼するのが一般的です。買取してもらう場合は、仲介による売却価格より2~3割安く売るのが普通です。

ただし売却で必要な仲介手数料が、買取の場合は不要です。

買取業者の種類を選ぶ

一般の不動産仲介会社、特に街の不動産会社やFC展開の賃貸系不動産会社では買取を実施していません。あったとしても買取専門会社への紹介や代行が多く、買取をしてもらうには信頼面や価格面で限界があります。

住宅の査定を頼む不動産会社には次の3種類が考えられます。やはり首都圏が中心の不動産会社が多いので、事前に営業エリアを調べておく必要があります。

①大手の仲介会社

大手の仲介会社で売却業務も手がけている大手不動産会社(順不同)です。これは当初売却活動をして、それでも売れない場合に買取を依頼することができます。最初から買取が可能なケースもあるようです。

東急リバブル

大手のネットワーク不動産会社です。買取サービスも行っています。

野村不動産アーバンネット

大手不動産会社です。買い替え保証として「ホンキの買い替え保証制度」があります。

オークラヤ住宅

大手不動産会社の1つです。仲介による売却が不調の場合は買取保証制度があります。

三井住友トラスト不動産株式会社

大手不動産系列です。スピード売却という買取サービスがあります。

三菱UFJ不動産販売

三菱フィナンシャルグループです。買取保証制度があります。

大京穴吹不動産

即時買取サービスや買取保証サービスがあります。

大手不動産会社も買い替え客の不安を取り除くような売却保証的サービスを始めたところが多いですが、専属専任契約の獲得が本来の目的であったり、買取サービスへの取り組みに温度差がありますので、買取サービスの内容については事前に確かめておきましょう。

②大手系の売却専門会社

大手不動産会社や建設会社が参画する売却専門会社や専門サイト(順不同)です。

大京グループや長谷工などの大手4社が参画する買取査定サービス

ホームマスターズは査定にはいいでしょう。

双日新都市開発

元日商岩井、商社系の不動産開発会社です。

インテリックス

インテリックス住販などのグループ。マンションのリノベーションなどでも実績があります。

③買取専門の不動産会社

現金化を急ぐ顧客を対象に、ネット広告等で集客する査定会社や不動産会社が多く、悪質な買取業者も存在しますので依頼する場合には注意が必要です。事前に信用情報や口コミなどを調べてから依頼しましょう。

また自社で買取後、リフォームしてから価格を上げて売却することで利益を得るタイプの会社と、転売することを前提にしている会社があります。

購入者が見つからないので買取を考えた場合は、売却活動(仲介)をしてもらった仲介不動産会社とは、一度契約を終了するのが良いでしょう。買取してくれる会社を選んで新たに契約します。

不動産会社の選び方

まず買取保証(売却保証)サービスがあることを知らない方のために、仲介や買取業者の選び方を下表にしてみました。

横軸の売却の緊急度に応じて、縦軸でどのような種類の不動産会社が向いているかがわかります。

○:対応可能 △:対応不明 ×:対応なし

仲介する不動産会社の経験や技量によりますが、媒介契約から3ヶ月経過した時点で売り出し状況を確認するのが良いでしょう。3ヶ月で売れなければ、どう売却するかの対策を考えるので、期限が決まっていれば、買取も頭に入れなければいけません必要です。

買取の流れ

不動産会社に買取をお願いする場合の流れをご説明します。

①査定依頼する不動産会社を選ぶ

バブルの当時は、地上げ業者による土地や住宅の買い叩きや追い出し、また詐欺まがいの買取が一部で行われていました。現在でも転売利益を行う会社も少なくないので、その会社の評判や契約時点での買取内容のチェック、代金受領の時期や方法を売買契約時に入念に確認すべきです。

評判はインターネット上でも十分チェックできます。ネットで見かける企業は、その場で申込みをせずに口コミを確認してから申込みましょう。また未上場、未公開企業、上場企業に関わらず、買取を依頼する企業の情報は事前にチェックします。

最初の買取業者の選び方が、今後の流れのスピードと取引の安心感を決めることになり、最も重要なステップです。また査定依頼は複数の会社に出して、気に入った会社1社と売買契約を進めるようにします。

こんな買取業者には注意

  • 代金を受け取る前に登記を勝手に移そうとする
  • 振込がいつまでたっても行われない
  • 相場を無視した買い叩き行為
  • 連絡が取れないことが頻繁にある

上記のような悪質な買取業者を選ばないように最大限の注意が必要です。きちんとした担当者や買取部門のある信用がある会社を選んで契約をしましょう。

②査定依頼

できれば買取サービスのある大手の不動産仲介会社や買取専門業者から複数社選びましょう。信頼できる不動産会社が見つかったら、担当者には下記のような情報を伝えます。

  • 広さ・築年数・間取り図等の住宅概要
  • 売却希望金額等の取引条件
  • どれくらい現金化を急いでいるか
  • 銀行ローン残額、など

ネットの一括査定サービスを利用するのが最も早いのですが、複数の不動産会社から連絡が来ることになります。そこで慌てずに落ち着いて、契約する不動産会社と契約しない不動産会社の選別をする心の準備をしておきましょう。

机上査定で概算価格を算出

通常は机上査定(簡易査定)で買取の査定額が提示されます。この買取額は「通常売却相場×70~80%」の範囲であることを基本として自分でも確認しましょう。リフォームをしてから再度売り出すことを考えると、仕方ない値下げです。

不動産会社の判断基準を持つ

査定額の連絡が来た時に、契約する不動産会社の判断基準を、例えば下記のように予め決めておくことで相手の営業トークに流されないように決めます。

  • 客観的に知名度のある会社であるか
  • 応対が丁寧であるか
  • 近隣の価格や不動産サイトの似た住宅と比べて査定額が妥当であるか
  • 買取実績があるか

③現地調査

現地調査と官公庁調査が行われます。査定サイトによっては、この調査が有料になることもありますが、契約を結ぶ場合は無料で行うのがほとんどです。

机上査定だけでは住宅の状態による価格変動を反映できないので正確性に劣ります。より正しい査定価格を算出するために、この現地訪問をして査定額の調整を行います。

買取にせよ仲介売却にせよ、あなたは単なるお客様として振る舞ってはいけません。不動産会社の印象同様、あなたの印象も大事ですので、家周りや室内は整理整頓をして小綺麗にし、売却に対する意欲や積極性を伝えます。

調査内容

現地調査では住宅の付帯設備や日当りなど、地勢や環境から暮らしやすさ、官公庁調査では接道状況や隣地などの法令関係、登記や公図確認、給排水や公共インフラ状況なども調べます。

これらの現地調査での評価を加味して、実際の買取査定価格が得られます。

④買取価格の入手

現地査定が終われば、査定価格が出されて、ここから買取価格が入手できます。普通の住居として使用している場合、現地査定後の変動はそれほど大きくなく、仲介による売却査定価格の70~80%で落ち着くことが多いです。

買取金額の提案までの期間は、買取業者でリフォームをした上で再販売できる目処がある場合や、転売先の確認が取れる場合であれば早い傾向にあります。

買取金額の提示がスムーズに進まない会社は転売能力がなく、最終的に契約できないことも有り得ます。絶対に売れて利益が出る買取価格まで値下げを迫られることもありますので、金額提示までの期間と一回で買取価格が決まるかは大事な判断基準です。

⑤売買の締結契約

価格と信頼性からベストな買取業者と売買契約を結びます。この手続きが終われば、あとは引渡しだけで済みますので、最後の関門として細心の注意を払いましょう。

売買契約書は不動産業界で標準雛形が用意されていないので、買取業者独自の売買契約書となります。また購入するのは専門の業者ですので、仲介による売買とは違い、売主は瑕疵担保責任を引き受けなくて良いのは大きなメリットです。

引渡し条件の確認

引き渡し後にトラブルが起きないように、条件は契約書に記載してもらいます。

  • 家財道具の処分の担当と費用負担
  • 空調等の付帯設備の処分の担当と費用負担

など、気にかかることは質問し、必要なら契約書に記載してもらいます。

買取代金の決済日

代金の決済日や決済方法(現金か小切手か振込みかなど)が重要です。現金を決済書類手渡し直前に振り込んでもらう等、その場で確認できる方法が良いでしょう。

⑥決済と住宅引き落とし

住宅ローンが設定されていれば、抹消登記のために銀行決済で行います。売主、買主、銀行と司法書士も交えて決済と住宅引渡しを進めます。

※早期売却による買取では住宅引渡しは居住状態のままでも可能とされています。(店舗での「居抜き」同等)

契約してから約1ヵ月後になりますが、決済時には、売買代金から手付金と抹消登記費用を差し引いた残金が支払われます。なお仲介手数料は不動産会社との直接取引ですので不要です。

当日持参する書類は主に登記関係で登記識別情報(権利証)、実印と印鑑証明書などです。必要な書類等は買取業者と事前に打ち合わせて準備しておきましょう。

買取業者がすぐに見つけられれば期間は短いですが、不動産の売買ですので書類の準備や契約書の確認、引っ越しの手配など大変さは変わりありません。不動産会社探しや売却サポートはイエキットでも行っていますので、お気軽にご相談ください。


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