1.売り出し価格とは 「売りたい価格」と「売り出し価格」は異なってくることを、まず確認しておきましょう。またこの「売り出し価格」には、最初から「値下げ
【不動産の売り出し価格】売却価格の決め方
価格が全てではありませんが、買い手と売り手のミスマッチの多くは値段設定にあります。まずは相手が欲しいと思える価格を探しましょう。
経済原則では、売却価格は買い手と売り手、需要と供給間での綱引きで形成されるといわれています。かつてのバブル時代のようにたくさんの買主が殺到するなら価格は高くなっていきます。反対に買いたい人が少なければ売買が決まることも少なくなるのが実態です。
ただ最初の一人の買主さんの希望にぴったりとはまって即決することもあります。売主の希望を叶えられる家の売り出し価格の決め方を順を追って説明していきます。
- まず実勢価格の把握をしましょう
- 物件の希少性(人気)はどうでしょう
- 希少性がありそうなら査定より上の価格でも
- この価格の期間設定の予定を
- 期間中に売れなかったときの価格作戦
上記を、事前にフローチャート的に想定しておけば安心できます。
まず実勢価格の把握
実勢価格はつかんでいますか、あなたが買い手だった場合にこれなら買うよという価格相場です。まずその把握方法を考えましょう。大前提に査定価格はあくまで参考なので売却価格とは別と考えてください。
周辺の類似物件情報から把握
同じマンション内や同じ町内の条件が同程度の物件のチラシやサイト情報から把握しておきましょう。通例はこれらの先行マンションの売り出し価格を㎡単位で把握して、これに自分の物件を㎡数で換算しておきます。これに南向きなどの環境条件やベランダなどの追加レイアウト条件の価値を調整して把握できるでしょう。追加条件は1項目で25~50万円と仮にみておくのも方法です。
一括査定サイトなどから把握
最近は大手の不動産会社が一括査定してくれます。ただし氏名や住所、物件詳細の入力がひつようです。また一括ですので10社くらいの見積もりと継続セールスがきます。これが嫌いな方は中立的な東京カンテイなどの有料査定で依頼するのが良いでしょう。(約5000円で評価資料が入手できます)
一括査定なら、そこから買い替え保証や買取り保証の下支えができる業者、また価格が自分の想定額と同じでリーズナブルな不動産仲介業者と媒介契約に進みましょう。
物件に希少性(人気)があるか、ないか
自分で、こういう対象者なら買ってくれるという仮説を作ってみましょう。まず下のような希少物件なら問題なく売れていくでしょう。
人気物件
人気エリアで、売出しがめったにない物件 | 急行停車駅駅近くで便利なのに閑静なエリア |
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学区として人気があるエリアの物件 | 国立や有名私学進学実績が多い公立小学校(幼稚園)の学区の物件 |
建ぺい率や容積率で含みの資産価値が高い物件 | 不動産投資家が目をつけている |
駅前タワーマンション高層階の億ション | 外国人投資家などが転売益をもくろむ |
一般的な物件
以下のような条件に当てはまるターゲットを仮定して、その人に向けたキャッチコピーで売り出すのも有効でしょう。
- ある家族構成の間取りにはぴったり
- 静かな環境で買い物や通学も徒歩で行けます。
- 駅までのバス便も多く、バス停徒歩5分以内で通勤も便利
- 地域のコミュニティ活動や近隣も親切で雰囲気が良い
- ペットが飼えて散歩にも便利、駐車場の空き有り
- 価格がリーズナブル(買い手の想定範囲で)
買い手は、普段からこの物件周辺で売り出し情報を集めています。その候補に近いものが出たから内見に来られています。すなわち基本的な条件は合致しているのです。あとは価格交渉に入れるかがポイントです。
希少性があれば査定より上の価格でも
客観的に考えると次のような価格決めが多いとおもわれますが、やはり売主さんのやる気と説得力によっても希望価格で売れることがあります。仲介業者に価格決めを頼るのではなく、まず自分の考え方で納得がいく価格決めをするのが良いでしょう。
- 人気があれば査定価格より10%~20%上乗せした価格決めができるでしょう。
- 平均的な物件なら査定価格(実勢)前後の価格決めが無難でしょう。
- 自信が持てないなら、買い手にお得感が出る査定価格より5~10%下げた価格決め
もちろん、ゆっくりと待てば良い場合なら、価格を下げて売ることはないでしょう。
逆に売却をお急ぎなら、当初から価格を売りやすく下げておくか、または媒介業者に買い替え保証や買取り保証が設定できるところを選んでおくのが良いと思います。ただし買取り価格は売り出し価格の20~30%低くなることも多いですので損切り覚悟も必要でしょう。
この価格の期間設定の予定
通常は3ヶ月~6ヶ月では売却したいと考えられます。媒介契約は法的な条件を加味しますので、3ヶ月でのくり返しが普通です。 売り出し後3ヶ月のポイントです。
この期間に購入申込みが入るのがベストですが、3ヶ月なら3×4週×土日の2日=24日の内見があります。もちろん平日や夜間の内見もあります。媒介業者には3ヶ月満了直前には契約継続か変更かを通知します。この日を想定しておきましょう。
- A)内見客は週2組はあった、そのときの客の要望条件は
- B)内見客がほとんどなかった
Aなら条件を考えて、要望と思われるリフォーム代分の価格を下げて継続依頼しても良いでしょうBなら価格を思い切って下げるか、仲介業者を代えるか、一般媒介にして広く内見客を集めるかなどにしましょう。
契約期間中に売れなかった場合
残念ながら最初の3ヶ月で売れずに、次の3ヶ月(売り出し後6ヶ月)でも売れなかった場合です。よく見かけるのが3ヶ月ごとに5%くらいづつ値下げしているケースが多いですが、こうなると買い手も慣れてきて様子見になりこう着状態になります。やはり買い手が複数出てきて売れてしまうという不安がでるような価格帯まで下げるほうが、早く売る場合は良いと思います。
それでも売れない場合は
この場合は思い切りが必要です。
- 当初の買取り保証に移る
- 一旦売却をやめて市況が好転するといわれる次に来るハイシーズン(転勤や入学シーズン)前に再度当初価格から売り出す
- 売却をやめて賃貸物件として提供する
マンションの売却期間は、流動性が低いという不動産資産の特性上、それなりの時間が必要になります。売却しているマンション物件を欲している買い手がいれば仲介
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