マンションを賃貸に出すなら、採算性をシミュレーションする

マンションを賃貸に出すなら、採算性をシミュレーションする

月々の返済額と近隣の平均賃貸相場を比較して、利益が出そうだとすぐに安心してはいけません。それは居住用の住宅ローンを借りていて、毎月の修繕積立金を考慮してないのではないでしょうか?持ち家を賃貸に出す前に、採算性の試算をして、赤字にならないように備えましょう。

今回は住居していた不動産を賃貸用として貸し出す際、採算性を計算する流れをご紹介いたします。テストケースとしては以下となります。

  • 埼玉県さいたま市のマンション・2200万円
  • 現在築8年、新築時に購入
  • 頭金1割
  • 30年ローン
  • 切り替え前の住宅ローン金利:1.5%
  • 切り替え後のアパートローン金利:2.5%

ローン残債と月々の返済額を計算する

まず採算性を計上する上で最も大切なことは「支出」の中で最も大きなウェイトを占める「ローン金利」です。これらの確認方法はローン申し込み金融機関にて「返済表」と呼ばれる時期ごとの返済額・元金の一覧表を申告してだしてもらうことで確認が出来ます。

今回のケースの場合、2200万円の物件で頭金が1割なので借り入れ金額が1980万円、金利1.5%で月々の返済が6万8333円、8年目時点での元金残債が約1538万円となります。その後、アパートローン金利2.5%に借りかえることで月々の返済額が7万5688円と約7,000円上昇します。

この7万5688円以上という数字が「家賃設定する上での最低ライン」となります。

尚、今回は低金利の住宅ローンで8年経過したことにより元金が減っているため月々の返済上昇額は小額ですが、もともとの物件価格が高かったり、購入してから賃貸用への転用時の経過年数が短い場合、さらに返済金額が上昇するのでご注意下さい。ご参考までに、仮に約倍額の4,000万円ローンを組んでいた場合、月々の返済額は約1万5000円上昇します。

家賃相場と管理会社を決定する

次に「賃貸時の家賃相場」を調べます。これは物件の管理を任せる「管理会社」に査定してもらう方法と、ホームズなどのネット系仲介業者にて「周辺の相場家賃」をベースに決定する方法があります。

不動産の査定

一般的には全て管理会社に任せ、査定された家賃が周辺地区に比べて不当に安くないかだけを調べる、というアクションが最もシンプルで簡単です。「賃貸に転用するかどうか、まだ検討中の段階だ」という方でしたらとりあえず保有物件の該当地区で同条件の物件がいくらぐらいで募集されているかを調べてみましょう。

今回のテストケースとした物件を同じ手法で調べたところ「賃料12万5千円(内共益費1万円)」で募集されていました。これにより手元に残る金額は11万5千円、月々の返済額は7万5688円ですので「賃貸用としては検討の余地がある」という結論になります。

次に「管理会社」の候補とその手数料を調べます。管理会社とはオーナーの代わりに入居募集や問い合わせの対応・設備修繕などを代行して行ってくれる業者(業務委託業者)で、手数料は家賃の5~10%程度が相場です。今回は高めに「10%」としましょう。

業務委託管理費や空室想定による支出を計算する

最後に、「見込み家賃」に管理費と空室層定率を計算し、最終的な収益を計算します。まず、見込み家賃である12万5千円の10%を管理費として1万2500円。さらに共益費が1万円。ローンの返済額が7万5688円ですので、入居が入っているときの手取りはプラス2万6812円となります。

次に「空室想定率」ですが、これは地区や物件によってまちまちです。金融機関などでは一般的に厳しいところで空室層定率が7割前後、緩めでも8割程度で計算します。今回は間をとって75%とします。

12万5千円の空室想定が75%として手取り家賃が9万3750円。ここから共益費とローン返済を引くとプラス8,062円となります。業務委託管理会社の中には空室時も査定家賃をベースに管理費を徴収するところが存在しますが、こういった業者を選ばなければ空室想定が75%でも採算が取れるということになります。

上記以外の出費注意点

業務委託管理費など以外に、「設備故障」「入居入れ替え時の清掃費用」「賃貸付けの広告費」などが賃貸業における主な出費となります。これらは全額経費計上できるため額面すべたが負担になるというわけではない(確定申告時に計上できる)のですが、一時的には自分の財布から支払っておく必要があります。

ご参考までに、エアコンなどの修理・取替えが4万円から8万円、清掃費が5-20万円前後(間取りと汚れ具合により大きく変わります)、賃貸付け広告費が家賃の1か月分から2か月分です。

これらの出費が存在しえるということを念頭に置いた上で「入ってきた家賃は使ってしまうのではなくキッチリと積み立てておくこと」が賃貸経営の採算計算には必須事項であるといえます。

投資具体例に基づいた採算想定

投資用不動産の採算仮定において「入居の入れ替えは2-3年に1回」「それぞれの設備の修理は5年に1回」という仮定で行う事が多いです。

今回の例で計算すると空室想定75%の年間収益が8,062円×36ヶ月(3年)で29万232円、設備修理が1回あったとして4-8万円の中間で6万円、清掃費を10万円、賃貸付け広告費を1か月分の12万5千円として支出合計が28万5000円、ここに節税効果が乗ってくるのでプラスになる、という計算になります。

入居想定を75%ととしてこの数値ですので、管理会社の営業努力などで入居率を上げればその分だけ収益率は上がりますし、仮に収支がプラスマイナスゼロのまま推移したとしてもローン完済時には「不動産」という資産が残ります。

逆に、入居率がこれ以下の水準になりそうな地区・不動産ならば採算性を割っているので「売却した方がお得」ということになります。賃貸というのは住居住宅に比べリスクがありますので、事前にしっかりと採算性を計算することが大切です。

実際に自分の家を賃貸に出す流れや手続きについては、持ち家を賃貸に出す場合に必要な準備でも解説していますので参考にしてください。

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