新築のマンションの売却で、住宅ローンは完済できるのかシミュレーション

新築のマンションの売却で、住宅ローンは完済できるのかシミュレーション

新築のマンションの売却を、住宅ローンの返済や新たにマンションを購入するために行う場合、ネックになるのが住宅ローンの完済です。新築を売却したお金で完済できなければ、預金から払うことになりますが、それが難しい場合、通常の売却はできません。この記事では築何年で住宅ローンを完済できるかをシミュレーションしました。

ここで先に結論だけ申し上げると新築のマンションを売却しても、頭金がほぼなければ住宅ローンの完済は難しいです。仮に新築マンションの購入時に頭金を2割以上入れていれば住宅ローンを完済できる可能性がありますので、まずは自分がどれだけマンション購入時に頭金を入れたか情報を見直してみてください。

一戸建てやマンションの売買には新築プレミアムが存在します。これは築浅は市場で人気があるという意味ではなく、新築は業者の利益が多く乗せられている理由から、不動産業界で高く販売されているという言葉です。ですので新築のマンションは購入した瞬間に評価額が下落する問題があります。

不動産の地域や年度、相場などの状況にもよりますが、新築プレミアムとは20~30%です。仮に4500万円で新築物件を購入すると3150万円に下落するので、頭金を1350万円入れてなければ、新築マンションの売却でも住宅ローンの完済は難しいことになります。

この記事では主に新築のマンションを売却で、築年数何年だとどれくらいの価格で売れるのか?(値下がりはどの程度発生するのか?)をご紹介します。注意点としてマンションの価格は経年劣化だけではなく、売却時の相場によっても売れる金額が大きく変動します。そのため今回の基準が必ず成約の可能性を示すものではありません。

紹介する新築のマンションの条件として

  • 新築時4500万円
  • 住宅ローン利用
  • ローン期間:35年
  • 金利1.5%

と仮定して、頭金の額を元にローン残債と売却額が何年目で「損益分岐点」の売却となるのかをご紹介します。

新築マンションの価格計算の前提

年々の経年劣化による価格下落は「財団法人東日本不動産流通機構」が掲載しているレポートの取引事例価格単価をフラット化し、毎年1.62%ずつ下落しているという前提で計算を行いました。これは冒頭にも述べたように、マンションの売却価格は時勢によって大きく影響されるため、こちらは仮定値としてご検討ください。

新築マンションの売却は頭金次第

今回は新築のマンションを4500万円で購入して、住宅ローンを35年・金利1.5%で借りる契約をしたものと想定します。

まず頭金を入れず、自己資金0円で新築マンションを購入した場合だと、22年前後で売却予想価格と住宅ローンの残債が±0になります。もし住宅ローン以外の諸費用も新築の売却で賄うなら24-25年前後が損益分岐点となります。仮に築5年で売却を行うと1100万円の減少となり、貯金やその他の金融資産が確保できないと住宅ローンの返済を終わらす形での売却は難しいことが分かります。

頭金0で新築マンションを購入し、請求や税金の支払いで生活が苦しくなったので売却するとなると、方法は個人再生や自己破産となります。

次に頭金を1000万円入れて新築を購入したケースでは、ローン残債+頭金と売却益が±0になる損益分岐点は14年目となります。

頭金0で購入した時と比較して、月々の返済額と利息の返済が少ないためますが、新築プレミアムで価格が3割下落すると、しばらく返済を続けないと売却損が発生します。ただし3割下落したとしても11-12年目で住宅ローンの残債と売却予想価格は±0になるので、かなり早いタイミングで新築の売却や住み替えができることが予測できます。

ちなみに1年目に売却したときの損失が仲介手数料などを加味した上で約400万円、5年目だと270万円程度の損失に留まります。

新築の売却価格を査定

あなたが現在所有している新築のマンションをあと何年で売却できるかを判断する資料として役立ててください。ただ新築のマンションでも今後需要によって売却価格の推移は異なります。売却可能な時期を把握しつつ、不動産会社に査定を出すことで、新築で売却できるかを調べてみてはいかがでしょうか?

この記事に合わせて、築年数による資産価値の変化について特集した「家の寿命」中古住宅は新築と築10年でどれくらい価値は変わるのか?もご活用ください。

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