初めて家を売ろうと考えている方に向けて、その流れと期間を分かりやすくまとめました。家の売却では慌ただしく準備したり、不動産会社がどのように家を売ってくれているのか見えないため、本当に仕事しているのか不安になることもあります。
賃貸用マンション売却方法の流れをご紹介
賃貸用マンションの売却には、入居者に立ち退きをお願いして売却するか、賃借人に購入・買取してもらうか、賃貸に出したままで売却するかの3種類であることが一般的です。それぞれどのようなメリット・デメリットがあり、注意すべき点と流れを解説しています。
今回は賃貸マンションの売却(例として、長期出張・海外赴任などの理由で賃貸していたものの家に戻ることが難しくなったため売却する場合等)の流れと注意事項のご紹介を行います。
賃貸用マンションを売却する方法の選択肢
所有している賃貸中のマンションを売却する場合、以下のような選択肢があります。
- 賃貸マンションの入居者に立ち退いて貰う
- 賃貸マンションの入居者に購入してもらう
- マンションを賃貸中のまま他のオーナーに売却する
それぞれの手法のメリット・デメリットは下記です。
賃貸マンションの入居中の方に立ち退いて貰う
これは売却するマンションを内覧可能にするため、入居中の方に立ち退いて貰うという方法です。購入物件であるマンションの場合、購入前に内装を見たいという考え方が一般的ですので、内覧可能にすることでマンションが売れやすくなるというメリットがあります。反面、立ち退き交渉など面倒な手続きを踏まなければならないケースも多いので注意が必要です。
賃貸マンションの入居者にそのまま購入してもらう
賃貸マンションを入居者に中古物件として譲渡・販売すれば、売主としては即座に売却が決まるというメリットがあり、入居者からすれば生活はそのままで、家賃として払っていた分が自己資産になる(家が自分のものになる)というメリットがあります。築年数にもよりますが、一般的には必要なリフォーム費用も不要な場合もあります。双方にとって損がない方法なので、希望売却価格とローン返済シュミュレーションを行い、現在払ってもらっている家賃と同水準かそれ以下ならとりあえず持ちかけてみてもデメリットはありません。
交渉が決裂するケースとしては、例えばマンション入居者が賃貸派であった場合などですが、別にここで決裂したところで金銭的損害等は発生しないので積極的に声をかけてみるべきです。
賃貸用としてそのまま売却する
これはマンションを賃貸用として入居中のまま、つまり投資家が投資用物件におけるオーナーチェンジを行うような形で売却を行う方法です。マンションの入居者との面倒なやりとりが必要ないという反面、出張中に賃貸するだけだから家賃は定額でいいやといった形で賃料設定を行っている場合、表面利回りが低く、買い手が付きにくいもしくは比較的値段が下がるリスクがあります。
やはりマンションは間取りや内装を見て判断してから購入したいという方も多いため、売却に時間がかかるというのもネックです。
マンション売却までの流れ
上記を踏まえたうえで賃貸用マンションを売却するアクションは以下のようになります。
買取の打診
まず賃貸マンションの入居中の方に買取の打診を行います。売却希望査定金額を住宅ローンシミュレーションに掛け、表示された月々の支払金額が現在振り込んでもらっている家賃と同額かそれ以下であれば双方にとってメリットがある取引となります。また、こういった形態で個人間売買する場合、不動産会社に支払う仲介手数料を売手・買手ともに節約できるのもメリットの一つです。
現在の入居者が賃貸派であるなどの理由で交渉が決裂した場合、立ち退き要求を行うか、もしくはそのまま売却するかの2択になります。先にも述べたように販売用不動産の場合、内覧してから買いたいという需要がほとんどであるため、立ち退き交渉を行う場合が多いです。
立ち退き交渉
もし賃貸中の物件を管理会社などに任せている場合、賃貸業務の一部として立ち退き交渉を行ってもらえます。ただし、立ち退き交渉が成功する=家賃収入としての収益が入らなくなる(管理費が手に入らなくなる)ということですので、あまり立ち退き交渉に積極的な業者は少ないというのが現状です。ですので基本的には売主個人で賃借人と立ち退き交渉を行うと考えておきましょう。
この立ち退き交渉ですが、双方の合意があれば特に問題はありませんが、ややこしいのが合意が得られない場合です。
日本における借地借家法は不動産の持ち主より住居者の権利が手厚く保護されているため、売却を理由とした強制立ち退き請求・契約解除はほぼ認められません。また賃貸借契約において貸主が一方的に契約解除できるという条項があったとしても、家賃の滞納などしかるべき理由がない場合、消費者契約法により消費者(借主)に一方的に不利な契約条項は無効と規定されています。
そのため、立ち退きを依頼する場合立ち退き料の支払い、それでも交渉が決裂した場合司法で争うことになります。
ちなみに立ち退き料の相場としては最低ラインが引っ越し費用および2~3か月分の家賃、つまり借主が損をしないという水準です。また法律的に具体的な規定はなく、非常に揉めやすいため交渉が難航しそうな場合は弁護士に依頼するのも手です。たいていの場合、こういった紛争を行う費用は入居者がいるまま売却した場合のディスカウント額以上にかかるため、ややこしい入居者にあたってしまった場合そのまま売却してしまいましょう。
そのまま売却
最後に入居者がいるまま賃貸物件を売却する場合ですが、これは土地やアパート一棟、一戸建て等の普通の不動産売却と同じように不動産会社と媒介契約して仲介を相談・依頼、もしくは即金買取事業者にお願いして売却することになります。
流れを踏まえた上での備考
これらを加味すると、マンションを売却する場合の入居者の扱いがトラブルに発展する要素のすべてであるといっても過言ではありません。そのため、マンションを賃貸に出す場合、決まった期間以降の契約更新がない定期賃借権などで貸し出しを行うなど抜本的な対策を検討する必要があります。
繰り返しになりますが日本は借主の権利が強いため、マンションを賃貸に出す場合はくれぐれもご注意ください。まずはWEBサイトやコラム等を利用・活用して基礎的な情報を集めて対応していきましょう。
不動産の売却前にまず査定
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不動産売却前に知っておきたい知識
不動産会社に連絡を取ると、まず最初に査定を行うことから始めます。査定はあなたの不動産と似た条件の不動産から算出し、実際に不動産を見て補正して算出します。
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