初めて家を売ろうと考えている方に向けて、その流れと期間を分かりやすくまとめました。家の売却では慌ただしく準備したり、不動産会社がどのように家を売ってくれているのか見えないため、本当に仕事しているのか不安になることもあります。
瑕疵担保責任を負わないと売買契約書に記載しても、損害賠償請求された裁判例
不動産を売却する際、売買契約書に「瑕疵担保責任を負わない」旨を記載することも多いです。これを書いていれば、売ってしまった後のことは気にしなくて良いと思いがちなのですが、そういかなかった裁判例をご紹介します。
敷地境目にあった擁壁およびブロック塀が隣地に越境していた場合のトラブルです。
- 買主は中古住宅とその敷地を購入
- 敷地の擁壁の耐久性が欠けていた上、囲障であるブロック塀が隣地に越境している等の瑕疵
- 買主は売主及び仲介業者に対して損害賠償を請求
- 売主の瑕疵担保責任及び仲介業者の債務不履行責任を認めた
- 買主の請求の一部を許容
訴えの概要と判決
訴えの内容としては「擁壁およびブロック塀に瑕疵があった」として売主に対して損害賠償請求を行った、という非常によくある例です。今回の場合売主に対しての「瑕疵担保責任」に基づく請求および、仲介業者への説明義務違反による債務不履行責任を求めました。
結論から申し上げると瑕疵担保責任および債務不履行責任の双方ともに一部認められ、買主は損害賠償の支払いを受けるという旨の判決が下されました。
今回の事例となった不動産売買契約には「瑕疵担保責任を(売主は)負わない」という旨の記載もあり、「損害賠償請求はできない!」と突っぱねており、結果として裁判までもつれ込んだものであると考察できます。
今回の判決の決め手となったのは売買契約後引渡前に越境等の事実を知っていたということです。
通常、売買契約締結後、引き渡しを行う前に測量図面の作成行うことがあります。この時点で今回の事例の場合、「越境の事実」があると確認されたわけですが、これを買主に告知しないまま売買を完了しました。
結果として、「瑕疵担保責任の期間制限」や「損害賠償の免責特約」をつけていたものの、裁判所は「物件に対する権利制限など、買主等にとって不利な事実については、契約後であっても引渡前に判明した場合には売主、仲介業者とも買主に告知すべきである」として瑕疵担保責任および損害賠償にかかわる特約を無効とし、損害賠償を負わせることになりました。
よくある「契約特約」に関する勘違い
不動産売買に限らず、契約書における特約に記載すれば、すべてそれが有効であると勘違いされておられる方がいらっしゃいます。
いくら特約事項において双方の合意がなされていたとしても特約の取り決め内容自体が法律上違反している場合、双方の合意(捺印)があったとしてもそれは無効となります。
たとえば極端な話ですが、AおよびBが契約にて「土地Xでは双方身体の安全を考慮せず、いかなる欠損も法の縛りを受けない」という旨の特約を結び、双方合意したとします。
一般的な社会通念上で考えて、土地XにてAがBを殺傷し、「特約にて定められているから私は罪に問われず、刑罰(罰金含む)の義務もない!」と主張したところで認められるでしょうか?ほぼ100%の方は「認められるわけがない」とおっしゃられると思われます。
「契約書に書いてあるから何をしても問題がない」と安心しきるのは極論、こういった主張を行っているのと同じことであるといえます。
ですので不動産売買において「契約に書いてあるから大丈夫」と安心するのではなく、過去の判例などを引いた上で「こういった事例は問題がないのか?そもそも法的に主張が認められるのか?」といった確認が必須です。
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不動産売却前に知っておきたい知識
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