不動産売却において、売主は目視で分かる瑕疵は確認する責任があるとした裁判例

不動産売却において、売主は目視で分かる瑕疵は確認する責任があるとした裁判例

不動産を売る側としては、汚れや傷などは見られたくないので、説明を省きがちです。しかし明らかに建物にひび割れ等が入っている場合は、説明しなければ裁判沙汰になることがあります。無理に探す必要はアリませんが、家の外観や内装は一通り確認しておくのが良いでしょう。

不動産の買主が売主に対し、「瑕疵」を理由として訴えを起こした内容です。中古住宅の地盤が不安定であり、建物に傾きやひび割れが発生していた事例です。

裁判の内容と判決

  • 買主は中古住宅を購入
  • 引渡し後まもなく地盤が不安定であり建物に傾きやひび割れ等が生じていると判明
  • 売主と媒介業者に対して、調査説明義務違反による不法行為と債務不履行による損害賠償を請求
  • 売主に対して、売買契約の錯誤無効を理由とする既払売買代金の不当利得返還を請求
  • 予備的に売主に対して、瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求
  • 本件傾き等を瑕疵と認定
  • 程度は建替えを要するほどのものではないとして、錯誤による無効は認めない
  • 売主と媒介業者の信義則上の調査説明義務違反を認め、請求額の一部を認容

請求内容は多岐に渡り、以下の内容をすべて請求していました。

売主および媒介業者向け

  • 調査説明義務違反による不法行為
  • 債務不履行による損害賠償請求

売主向け

  • 売買契約の錯誤無効(契約解除および不当利益返還)
  • 瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求

結論として、「瑕疵」および「調査説明義務違反」は裁判で認められ、損害賠償の一部に支払い命令を下しました。ただし錯誤による無効は「建て替えなどを要するものではない」として認められず、損害賠償命令のみにとどまりました。

争点は瑕疵要素を「目視」できるか否か

「瑕疵」とは「目に見えない不具合」を指します。

不動産売買において素人である売主であっても、「目視等によって本件建物の内部を確認するだけで、瑕疵につながる可能性のある不具合」、つまり今回の場合建物が傾いている、といった問題が存在することをは十分に認識できたはずであり、また売買においては認識すべき事項であったはずであるとされました。

また媒介業者側についても、建物及び本件土地について瑕疵につながる可能性のある不具合の存否を目視等で確認し、不具合が認められた場合にはその内容を売主を介して買主に説明すべき信義則上の義務を負っていたとされ、買主に対する「売主及び媒介業者の信義則上の説明義務違反」が認められました。

問題点を把握していなかったとしても、「常識的に考えて把握しているべき問題」については知らなかったでは済まされない、ということですね。

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