自殺者が出た賃貸用マンション(事故物件)の価格

自殺者が出た賃貸用マンション(事故物件)の価格

投資用マンションや賃貸アパートを経営していると自殺者が出ることもあります。事故物件となると告知義務が生じ、値下がりは避けられなくなります。空室の状態が続くとローンの返済にも関わってきます。区分所有であれば尚更です。そこで事故物件となったマンションやアパートはどうすべきなのか聞いてみました。

賃貸用(投資用)物件を保有される方にとって避けては通れないリスクが「事故物件」、とりわけ自殺などです。

2017年現在の基準として、「病死」および「孤独死」は事件性が無い限り「事故物件」としては扱われませんが、「自殺」の場合は一発でアウトとなり、次回の入居者および購入希望者に開示義務が発生いたします。そのため入居率の低下などにより、物件の処分を検討している方への注意点を解説します。

想定ケースとしては

  • 自殺者が出た投資物件
  • 売却を検討している
  • ローン残債と市場評価額が同じぐらい(事故物件評価前)

という内容で解説していきます。

事故物件の値下がり相場

事故死物件を売却する前に「事故」が発生した物件が一般相場にくらべどれくらい「値下がり」するべきなのかを押さえましょう。これを知っておけば「事故物件をどの程度ディスカウントして売りに出せばいいのか」が分かります。

具体的な統計などを取ったわけではないので地域やタイミングによってブレはありますが、業者間相場では事故物件のディスカウント率は以下のようになっています。

  • 自然死の場合:約10%
  • 自殺の場合:約20~30%
  • 他殺の場合:約30~50%

事件性が無い自然死の場合、「事故物件としては取り扱われない」ですが、知らずに購入した方との間で後々にトラブルが発生する可能性があります。そういった事例を回避するために開示を行った場合の相場が10%ディスカウントです。

また自殺に比べ他殺時のディスカウントが高い理由はやはり「事件性度合い」が自殺に比べ大きいと一般的には考えられているためで、特にニュースなどのメディアに大々的に取り上げられてしまった事件とそれに関連する物件の場合は大きく値下がりする傾向があるようです。

任意売却を駆使して物件を売却しよう

通常、不動産の売却というのは「抵当権」を解除しなければ売買による権利移転はおこなえません。事故物件においては「7-15年保有して市場価格とローン残債が同じぐらいになった物件でも、事故が起こってしまうと売却金額が残債を下回る」という事例が多々発生します。そのため抵当権が削除できず、物件が売却できなくなります

そこで駆使されるのが「任意売却」です。

これは融資を設定している金融機関(銀行など)と交渉し、ローン残債が残る物件でも売却を行う方法で、基本的に残債>売却額の物件はこの制度を利用して売却します。

また事故物件など「売却に相応の事情がある場合」というのはその旨を金融機関にキッチリと説明し、その上で「こういう状況なので月々の返済額等をなんとかしてもらえないか?」と相談すればあっさりとリスケジュール(返済方法及び期限の変更)に応じてもらえるケースもあります

この任意売却というのは不動産業者が代行して行ってくれるパターンが多いですが、事故物件などの場合は勇気を出して自分で金融機関に連絡・交渉してみることも一つの手立てです。

不動産業者選びの注意点

事故物件を売却する不動産業者の選び方ですが、正直対応は「業者」によってまちまちです。

大まかな方向だけご提示すると、基本的に「顧客基盤を抱えており、尚且つイメージを大事にする大手不動産業者」は事故物件を敬遠しがちです

とはいえ町の中小不動産業者だとネットワーク自体が弱く、事故物件をさばききれないことがあります。

ではどうすればいいのかといいますと、該当地域周辺の「事故物件取扱業者」に連絡をいれて相談することです

探し方は簡単で、ホームズなどのインターネット不動産会社で保有物件住所周辺の「事故物件」の記載がある不動産を探し、その「取扱不動産業者」に連絡をとるだけです。実際にネット上で売買を行っている業者であるということは大手のように「事故物件」と「自社名」が並ぶことに忌避感を抱いていないということであり、少なくとも敬遠される可能性は低いです。

またキッチリと広告を打って売買しているということの証明にもなるので、少なくとも地場の周辺だけで売買を行うという可能性も低いはずです。

一応基準として、こういったところに依頼して半年間売れなければいったん売却掲載を取り下げ、1~2ヶ月置いたあとで他の業者に仲介依頼するという方法が一般的です。

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