不動産売却の確定申告における準備や流れ、控除等について

不動産売却の確定申告における準備や流れ、控除等について

不動産売却において確定申告は必要ですが、会社に属しているサラリーマンであれば、自分で確定申告を行う機会はそう多くありません。不動産の売却は金額の多さもありますが、基本的には自身で確定申告の書類を作る必要があるので、慌ただしく準備する方も多いかと思います。この記事では不動産売却で譲渡所得、譲渡損失が発生した場合の確定申告の進め方について解説しています。

今回は不動産売却の確定申告についてご紹介いたします。一口に不動産といってもマイホーム売却から投資用(相続資産なども含む)、さらに購入時と比較して利益が出たのか、でなかったのか、またもし出たとしたら税金の額及び確定申告に必要な書類はなんなのか、といった内容についてご紹介いたします。

サラリーマンでも不動産売却時の確定申告は必要?

まず第一に気になるのが不動産売却年度における確定申告義務の有無だと思われます。結論から申し上げると、「不動産売却時の利益が出れば確定申告は義務」「利益が出なければ義務ではないが、確定申告することで控除により税金が返ってくることがある」という形になります。ですので不動産売却の利益の有無にかかわらず、確定申告は行った方が有利です。

不動産売却時の確定申告の時期

確定申告を行う時期は不動産売却を行った翌年の2月中盤から3月中盤まで、ネットもしくは税務署に赴いて確定申告書を提出します。たとえば2016年度に不動産売却を行った場合、2017年の2月中盤から3月中盤に確定申告を行う、という形です。不動案売却の確定申告の方法としては以下の3種類があります。

  • 税務署に赴いて申告する
  • 郵送で税務署に送付して申告する
  • ネット(e-TAX)で申告する

この中でもっともオススメなのは記入ミス等があればその場で修正できる「直接赴いて申告する」方法、もっともオススメできないのがネット申告です。一件、「ネットだから楽だ!」と思いがちですが、e-TAXを利用するにはマイナンバーカードの取得およびICカードリーダライタ(カードのICを読み込む機械)が必要となってきます。

2017年現在は役所がマイナンバー手続きに対応できていないという事もあり、カード取得に半年ほどかかる自治体も珍しくありません。ですので確定申告においてネットはあまり役に立たない方法であるというのが現状です。

確定申告に必要な書類

不動産売却における確定申告には下記の書類が必要です。

  • 確定申告書B様式
  • 分離課税用の確定申告書
  • 不動産の譲渡所得の内訳書
  • 不動産売却時の売却契約書(コピー)
  • 売却した不動産の購入時の売却契約書(コピー)
  • 不動産売却時の仲介手数料等、売却手数料の領収書(コピー)

このうち「確定申告書B様式」「分離課税用の確定申告書」「譲渡所得の内訳書」の書類に関しては税務署より入手できます。また、以下の条件を満たす不動産(自宅)を売却した場合、3000万円の特別控除を受けることができます。

  • 自分が居住していた不動産
  • 親子や夫婦など特別な間柄でないものに不動産を売却した
  • 売却した年を遡って2年間、この特例を利用していない
  • 売却した年を遡って2年、譲渡損失などの特例を受けていない

この条件を満たし、かつ特例を利用する場合は申告時の必要書類6種類に加え、売却から2ヶ月以上経過した後に「住民票除票」を取得し、それを合わせて提出する必要があります。

売却益が出た場合の確定申告

不動産の売却で利益が出た場合は確定申告をして譲渡所得税を支払う必要があります。不動産売却の譲渡所得税は以下の形で計算されます。

不動産売却時の譲渡所得税の計算方法

譲渡所得は、不動産(土地や建物)を売った金額から取得費、譲渡費用を差し引いて計算します。

取得費とは、売った不動産(土地や建物)を買い入れたときの購入代金や、購入手数料などの資産の取得に要した金額に、その後支出した改良費、設備費を加えた合計額をいいます。なお、建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。また、不動産(土地や建物)の取得費が分からなかったり、実際の取得費が譲渡価額の5%よりも少ないときは、譲渡価額の5%を取得費(概算取得費)とすることができます。

譲渡費用とは、不動産(土地や建物)を売るために支出した費用をいい、仲介手数料、測量費、売却契約書の印紙代、売却するときに借家人などに支払った立退料、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用などです。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分

また不動産には「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」という区分があり、所有期間が5年を超えるか否かで税率が変わります。土地や建物を売ったときの譲渡所得は、次のとおり所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得の二つに区分し、確定申告の税金計算も別々に行います。

  • 長期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるものをいいます。
  • 短期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下のものをいいます。

※「所有期間」とは、土地や建物の取得の日から引き続き所有していた期間をいいます。この場合、相続や贈与により取得したものは、原則として、被相続人や贈与者の取得した日から計算することになっています。(所法33、38、60、所基通33-7、措法31、31の4、32、措令20、措通31の4-1)

国税庁譲渡所得より引用

売却損が出た場合の確定申告

不動産売買における売却損が出た場合、確定申告を行う義務はありませんが、「損失繰り延べ」を行えるため、確定申告しておいた方がお得です。ここで発生した損失を「譲渡損失」と呼び、以下の式で計算できます。

譲渡代金-{(取得費-減価償却費)+譲渡費用}=譲渡損

譲渡損失による税金還付ですが、仮に年収・収入が額面500万円の方がいらっしゃるとします。仮に不動産を新築で買ってしまい、売却により1500万円の損失が発生したとします(購入時3000万円、売却価格総計1500万円)その場合、

譲渡損+給与所得
-1500万円+500万円=-1000万円
(翌年に繰り越しの譲渡損)

となり、源泉徴収済みの所得税が還付されます。また繰り延べは5年間可能なため、翌年、翌々年の所得税に関しても還付を得ることができます。また、再度住宅ローン控除を受けることもできます。

※税法は状況に応じて変化するため、コラム・WEBサイトを活用した場合は、記載された記事・事例・内容は参考情報程度に留め、確定申告前に税務署にお問い合わせされることをお勧めします。

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