初めて家を売ろうと考えている方に向けて、その流れと期間を分かりやすくまとめました。家の売却では慌ただしく準備したり、不動産会社がどのように家を売ってくれているのか見えないため、本当に仕事しているのか不安になることもあります。
同居していた両親から相続した家を、兄弟で遺産分割
自身が両親と亡くなるまで同居していた場合、そのまま住み続けたいところですが、家を出た兄弟がいる場合、遺産の分割をしなければいけません。もし家の価値と同じ資産が現金や債権等であれば別ですが、最も大きな資産価値が家だった場合の遺産分割について、解説していただきました。
今回の事例は「同居していた親が亡くなり、その家に住み続けたいが兄弟が居る」という事例です。今回は「2人兄弟、親の住宅ローンは返済が終わっており、他に特にめぼしい相続財産が無い場合」を想定して話を進めます。
遺言が有る場合の例外などを除き、たとえ自分だけが「親と同居」していた場合でも「財産の相続権」、つまり家の所有権の半分は別居している「弟(もしくは兄)」にあります。
相続した資産が「現金」の場合は相続分に応じて分けるだけで住むのですが、さすがに「不動産」となると真っ二つにするわけにもいきません。そこで出てくる制度が「代償分割」です。
代償分割とは文字通り「代償」、つまり物理的に真っ二つに出来ない家などの「代わり」に資産評価相当分を渡すことで、「相続資産を平等に行き渡らせた」という形にすることです。
この「代償分割」を行う際に争点となるのは「相続する家(不動産)の評価額がいくらになるのか?」です。「代償」を支払う側としてはできるだけ安い評価額が、受け取る側としては高い評価額の方がよい、と考えるのは自然なことで、この部分で争いになることが多々存在します。
もめないようにするためには「客観的な資産評価」を行い、それに応じて「代償額」を決める必要が有ります。その方法は大きく分けて2つあります。
「相続資産評価」を基準とする方法
路線価を元に算出される「相続税評価額」を算出し、その半分(相手持分)を買い取る、という方法です。「相続資産なんだから、主観ではなく相続税評価に応じて額を決めようよ」というシンプルな話です。
「取引事例」を基準とする方法
実際に市場で売買されるであろう「不動産価格」をベースに価格評価を決める方法です。こちらを使う場合の主張は「相続評価は確かに公平だけど自分が相続して売った場合、基準となるのは現在の取引価格でしょう。だから、市場価格をベースに決めよう!」という話になってきます。
ちなみに「取引事例基準額」は該当不動産を複数の仲介業者に「見積もり」を出して平均取引価格を求めるか、もしくは不動産鑑定士などに依頼をする、という方法があります。
相続においては上記2つの「どちらを使うべきか」といった取り決めはなく、相続人の裁量にまかされます。そのため、「市場価格と相続価格」の乖離がない不動産の場合はすんなりと話が進みますが、「相続価格よりも市場価格のほうが高い!」といった乖離が存在する場合利害が真っ向から対立するため、話がややこしくなる可能性があります。
今回の事例の場合「他に相続資産がない」という関係上、よほどの一等地や豪邸などで無い限り、相続税自体が発生しない可能性が非常に高いです。
相続税においては「基礎控除」というものが存在し、現金や有価証券、不動産評価額の合計が「3000万円+法定相続人の数×600万円」以下の場合は相続税は発生しません。つまり今回の事例で言うと「築年数が数十年経った家と土地価格合計が4200万円以上」の評価とならなければ税金については考える必要はありません。
また相続税が発生し、尚且つ「市場価格が相続税評価より高い場合」に「取引事例基準額」で資産額を決定した場合、課税の対象となる金額が安くなるというメリットがあります。「市場価格-相続評価」でもとめられる価格が高ければ高いほど課税の対象となる額は減ってきますので、もし相続税が課税される方の場合は計算してみてください。
最新の計算式は国税庁の「No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算」にて公開されています。
※本文の税金に関する知識および額は2016年12月15日の執筆時点のものです。税法が改正されている可能性もありますので、かならず税理士もしくは国税庁にご確認の上でご活用ください。
もし兄弟で不動産を売ると決めた場合、どのような手順で売却を行うのかは以下の記事が参考になります。
兄弟で相続した一戸建てを売却して遺産分割する流れ、家の売却の流れ
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