両親が老人ホームに入居する場合、判断能力が低下する前に親名義の住宅を売却する

両親が老人ホームに入居する場合、判断能力が低下する前に親名義の住宅を売却する

両親が認知症などで判断能力が低下してきた時、両親の住宅は早めに売却するようにしましょう。相続してからでも遅くはありませんが、認知症が進行してから売却する場合、成年後見人の申請など時間や手間が掛かり、非常に大変です。

高齢の両親が認知症の症状が出始めるということは珍しくありません。今回もやはり認知症の症状が出始め、老人ホームで暮らすことになった母親名義の家をどうすればいいのか、実家が遠方のため空き家の管理も難しいので売却を考えているというご相談です。

いくつかの方法がある中、今回は名義変更をし、生前贈与という形で売却する方法をご紹介します。

親子間の不動産贈与

親名義の家を子ども名義に変更をする場合は、贈与に当たります。不動産贈与の場合、贈与契約書(登記原因証明情報)の作成と名義変更の登記をすみやかに行います。

しかし事前に贈与税などの検討もしておきましょう。親子間不動産贈与にかかる税金は贈与税・不動産取得税と贈与にともなって名義変更する場合に登録免許税が必要になります。

また贈与する場合の条件は、贈与者が60歳以上の親または祖父母、受贈者は20歳以上の子ども、または孫となっています。

贈与税

贈与する財産が2,500万円までであれば贈与税はかかりません。それ以上の贈与の場合には控除額(2,500万円)を差し引いた残りの金額の20%が贈与税です。例えば売却価格が3,000万円の場合、500万円の20%(100万円)が贈与税です。

不動産取得税

不動産取得税の税額は不動産価格の3%です。不動産の価格は固定資産評価額によります。土地については評価額の1/2が課税価格です。

例えば、

  • 土地:1,000万円
  • 家屋:200万円

とすると

(1,000万円÷2+200万円)×3%=21万円

という計算になります。

築40年の家屋ということですから、家屋についての固定資産評価額はゼロだろうと考えますが、ところがそうではありません。固定資産評価額は建物の時価とは違い、築40年でもゼロにはなりません。

耐用年数20年の建物の場合は当初の評価額に対して、20%を下限に打ち止めになるため、家屋が存続する限り評価されます。当初の評価額が1000万円だとすると200万円の固定資産評価額ということです。

登録免許税

名義変更の登記には登録免許税がかかります。贈与の場合の税額は不動産の価格(固定資産評価額)の20/1000(2%)です。相続の場合の税額、4/1000(0.4%)に比べるとはるかに高いですね。1,000万円(固定資産評価額)の贈与で2%なら20万円です。

生前贈与に必要な書類と手順

必要書類

贈与者登記識別情報通知(登記済権利証)、印鑑証明書
受贈者住民票
その他固定資産評価証明書、贈与契約書、贈与の対象となる不動産の登記簿謄本

贈与契約書とは、贈与契約の内容を明記し、贈与者と受贈者それぞれの署名押印が必要です。贈与契約書の見本や雛形はインターネットで検索できます。

名義変更の手順

  1. 法務局に提出する必要書類を準備
  2. 法務局に提出する申請書の作成
  3. 法務局に提出する付属書類の作成
  4. 申請書と必要書類をホッチキスで留め、法務局に提出

申請書の作成

申請書は登記の目的や原因、権利者(受贈者)・義務者(贈与者)の住所氏名などを記入します。書式などは指定されていないので、必要な情報だけ記載します。法務局のHPに申請書の雛形が掲載されているので参考にしてください。

付属書類の作成

法務局に提出する付属書類は、印紙代紙・委任状・登記原因証明情報の3つ。印紙台紙は登記申請書の次にA4サイズの白紙に登録免許税分の印紙を貼るためのものです。委任状は登録の手続きを当事者の一方に任せるため、他方の当事者の委任状が必要です。

登記原因証明情報は、登記申請の原因となる事実を証明するための書面です。

登記申請の際は、登記申請書やその他の書類を左側で3箇所止め、冊子状にして提出します。書類の順番は以下の通りです。(1を一番上にして2、3…と続く。順番が重要)

  1. 登記申請書
  2. 印紙台紙
  3. 委任状(当事者が一人で申請する場合)
  4. 登記原因証明情報
  5. 贈与者の印鑑登録証明書
  6. 受贈者の住民票
  7. 不動産の固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は登録免許税を算出するためにも必要な書類です。固定資産評価証明書は市町村役場で取得できます(東京23区の場合は都税事務所で取得)。固定資産評価証明書は毎年4月1日以降に最新のものが出るため、最新年度のものを取得します。

申請は不動産の所在地に最も近い法務局で行います。書類の提出後1~2週間で新しい権利書が発行されます。名義が変更された後は自由に売却ができます。

これまでの説明でお分かりいただけたと思いますが、生前贈与のためには贈与者の署名、押印が必要です。認知症の症状が進み字を書けなくなってからでは書類の作成ができません。

そんな場合の家屋の売却には成年後見人と認められ、家庭裁判所の許可が必要になります。生前贈与を選択される場合は、まだ認知症が進まないうちに行うことをおすすめします。
参考記事:認知症の両親名義の住宅を売却する流れ

また書類作成などの手続きが面倒な場合は、費用はかかりますが、司法書士に依頼するといいでしょう。費用は6~8万円程度かかります。

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