売却損を承知でマンションを売り、広い住宅に住み替えしたい

売却損を承知でマンションを売り、広い住宅に住み替えしたい

損を承知でマンションを売却しなければいけない事情がある時があります。これを売却損(譲渡損失)と言い、売却価格では残った不動産住宅ローンの完済ができないことがあります。売却損が出ると手持ちの資金・資産で住宅ローンを返済しなければいけません。返済は大変になりますが、買い替え住宅ローンを使うと預金を崩さなくても購入できる場合があります。

「職場への交通の利便性を重視して10年前購入したマンションだが、子供の成長と共に手狭になった、もう少し環境の良い地域で戸建てを購入したい。マンションを住み替えたいが、売却損(譲渡損失)が気になる。自己資金にあまり余裕がなく、損失が出てもマンションを売却・購入できる方法はあるのか?」こんなご相談への回答です。

売却損(譲渡損失)が発生してもマンションの売却・購入は可能

マンション等の家屋は中古になると価格が下がり、損失が発生するのは仕方のないことです。新築のマンションを購入しても、1日でも住んでしまえば中古となり、購入価格の1割減になるのはよく知られていますね。翌年以降は前年比で1~2%ずつ資産価値が減少・損失していきます。

マンションの価格下落

築10年のマンションなら平均で24%程度下落しています。例えば5,000万円で購入したマンションの場合、3,800万円程度の価値になっている(1,200万円の売却損/譲渡損失が発生)ということです。

損するかどうかは、ローンの残債額によります。マンション購入時に5,000万円の住宅ローンを組んで10年間返済した場合、3,000万円以上の残債があるでしょう。マンションの売却価格が残債を上回る(売却益)場合はそのまま住宅ローンの完済ができるため、売却損(譲渡損失)は発生せず、住み替えには問題ありません。

マンションの売却価格が残債を下回っている場合でも自己資金を補って完済し、尚且つ住み替えにかかる諸費用などの余裕がある場合も、損失はあるものの問題はありません。しかし売却価格が残債を下回って売却損(譲渡損失)が発生し、資金にも余裕がないという場合が心配ですよね。

でも大丈夫です。住み替え住宅ローンを利用することで居住の住み替えは可能です。

住み替え住宅ローンとは

現在所有している住宅を売却し、新しく住宅を購入する場合に使われるローン
完済に足りない分の資金を新たなローンで調達することもできる

分かりやすくいうと、売却損(譲渡損失)を新しく購入する住宅ローンに組み込み、損を分散するということです。

当然ながら、今までのローン返済額より多くなってしまいます。また金融機関にとっても物件の担保価値をオーバーして貸出しすることになるため、上乗せ可能な融資額にも上限があります。融資の条件は金融機関によって違いがありますが、特例等がない限り所得や過去の返済状況など審査が厳しくなる傾向です。

住み替えローン審査時に、住宅ローンを組んだ時点と比べ所得がアップしている、妻の収入を合算して世帯収入とする、新しい事業を開始した、一定のプラス損益が見込める投資型商品・土地・賃貸用建物などの財産を取得しているなどの条件が加われば審査が通りやすくなるでしょう。また、売却損(譲渡損失)が発生した場合は、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」という2つの特例が適用されます。確定申告の際に「繰越控除」と、再度「住宅ローン控除」を受けることができ、所得税・住民税などの税金が控除されます。まずは、現在ローンを組んでいる金融機関に相談し、情報収集することが先決です。

マンションの住み替えにかかる費用

マンションの住み替えで、忘れてならないのが諸費用です。住み替えには売却と購入それぞれに費用がかかるため高額になってしまいます。余裕を持った資金計画を立てておくことが大切です。

マンション売却にかかる費用

  • 抵当権抹消登記費用(2~3万円)
  • 繰り上げ返済手数料(金融機関によって違うが数万円程度)
  • 印紙代(取引代金によって異なるが、5,000万円以下の場合は15,000円)
  • 仲介手数料(売買代金の3%+6万円+消費税)

マンション購入にかかる費用

  • 住宅ローンの諸経費
  • 火災保険料
  • 登記費用
  • 固定資産税
  • 仲介手数料(売買代金の3%+6万円+消費税)

一度購入されているので詳細は省きますが、購入にかかる費用は大まかな計算では新築の場合、物件の価格の3%~7%、中古物件の場合6%~10%程度です。ではここで、マンション住み替え時にかかる費用を合計してみます。

新築時に5,000万円で購入したマンションを3,800万円で売却
売却にかかる費用は1,296,000円(仲介手数料) + 80,000円(その他の費用) = 1,376,000円

更に購入にかかる費用は郊外の戸建て5,000万円として、約350万円(7%として計算)です。合計すると4,876,000円ということになり、新規購入額の約10%の諸費用が必要となります。更に中古マンションのクリーニング・リフォーム費用や自分たちの仮住まいの費用、引っ越しの費用などを加えると優に10%は超えてしまうことになります。

住み替えの手順

マンション住み替えの手順は、

  • 先にマンションを売却する
  • 先に次の住まいを購入する
  • 売りと買いを同時進行で行う

という3つの方法がありますが、リスクがないのは先に売却することです。もし販売期間が長引き、長期化した場合でも、購入を遅らせればいいだけ。先に購入が決まってしまうと完済を急ぐため、値引きして売却してしまうことになる可能性もあります。先に売却を済ませ、手元に残る金額がはっきり分かると新しい家の購入予算も立てやすくなります。

しかし完済できなくて住み替えローンを利用する場合は、売却と購入を同時に進めなければなりません。そういう場合は購入契約を結ぶ時「住み替え特約」を付けてもらい、売却できなかったときに備えておきましょう。ここでは住み替えローンを利用する場合の手順をご紹介いたします。

  1. 不動産会社に依頼し、マンションの売却額を算出・確定する
  2. 金融機関に要件を相談
  3. 住み替え特約付きで戸建の契約
  4. 売却完了と同時に住み替えローンを組む
  5. 売却金額と住み替えローンの一部でマンションのローンを完済する
  6. 住み替えローンの残高で新居の支払いをする

マンションを少しでも早く売りたい場合は、仮住まいは必要です。マンション売却の場合、新しい家が見つかるまで待って欲しいというのは、買い手にとっては嫌なものです。内覧時も居住していてはやはり気を使ってゆっくり内覧できません。

売却すると決まったら、速やかにマンションを出て仮住まいすることをおすすめします。まずは、個人で動かずに、WEBコンテンツや不動産会社等を活用し、様々なケースについて把握し、準備しましょう。住み替えについては、こちらも参照してみてください。

関連記事:マンションを売却して住み替える費用月々の返済額は変えずに、住み替える時の借り入れ上限

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